奥さんの地元で始めた自分のお店。地域のあたたかさを感じています。
太田峻介さん
関市に移住したことで近づいた、念願の「とんかつ専門店」
「縁もゆかりもない土地で、自分のお店を持つ」。なかなか勇気のいることですが、関市に2017年10月にオープンした「とんかつの太田家」は、静岡県出身の太田峻介さん(36歳)が開いたとんかつ専門店。お昼時になれば、幅広い年代のお客さんでいっぱいになる人気店です。
20歳まで静岡県浜松市で過ごした太田さんは、京都の日本料理店で修行を積んだ後、浜松のとんかつ専門店で働くことに。そこから大手とんかつ専門店に転職し、店舗運営を担っていました。そんなとき、東海エリアに新店舗がオープンすることになります。
「奥さんが関市出身なので、それなら新店舗にも通勤できるだろうと立ちあげを任されました(笑)。29歳の時に関市に移住しましたが、当初はお店と家を往復するだけの毎日で、記憶がないほど忙しかったですね」
朝早くに家を出て、深夜に家に戻る。そんな生活を続けているなか、関市で飲食店を営む友人に「お店を始めてみたら」と勧められます。
「いつか自分のお店をやってみたいとは思っていましたが、関市で始めるなんて当時は考えもしませんでした。でも、関市にはチェーン店が少なく、逆に個人で頑張っているお店が多いので、私にとってもいい刺激になるのではと思ったんです」
創業支援のサポートを受けて気づいた情報発信の大切さ
関でお店を開くことを決めた太田さんは、仕事を続けながら休みの日を使って物件を探し始めます。そこで出会ったのが、元寿司屋の物件。立地はもちろん、高級感のあるとんかつ屋を考えていた太田さんにとって、建物の佇まいも理想的な物件でした。さらに開業にあたって、関市の新規創業をサポートする「<a href="https://www.seki-biz.net/" target="_blank">Seki-Biz(セキビズ)</a>」もなくてはならない存在でした。
「無料で相談できるということで試しに行ってみました。いろいろと話をしてみると、お店の魅力をどう伝えるかまで考えが及んでいないことに気づかされました」
太田さんがつくるとんかつは、地元のブランド豚である「飛騨豚」を使ったもの。パン粉は注文を受けてから挽き、低温と高温で揚げることで衣はサクッと、なかは豚本来の旨みと甘みを堪能できるしっとりジューシーな食感が特徴です。フライのタルタルソースや漬物、デザートにいたるまですべて太田さんの手づくりというこだわりようですが、Seki-Bizに相談する前はこれらの情報をあえて隠す方がカッコいいと考えていたそう。
「こだわりを隠すことが自分なりの高級感だと思っていたのですが、細かく発信してお客様に伝えることがより付加価値になると教えていただきました。とても勉強になりましたね」
同業者が応援。みんなで関市を盛りあげる!
さらにオープンして驚いたことは、同業同士のつながりの深さでした。
「本来、近隣の飲食店はライバル同士になるはずなのに、関では同業者が応援してくださることに驚きました。困っていたら必要な情報を快く教えてくれるし、お店がオープンしたときも『あそこのとんかつ屋さんがおいしいよ』って自分のお客さんに勧めてくださる。本当にありがたかったですね」
関に移住するとき、“よそもの”としてこの土地に受け入れられるか、覚悟した部分もあったという太田さん。しかし、移住者であることを感じさせないくらい地域の人があたたかく受け入れてくれる、そんな居心地の良さをご夫婦で実感しています。
「まだまだこれから。少しずつ、長く愛されるお店をつくりながら、関をもりあげていきたいですね」
太田峻介さんに質問!
-
Q.関で創業してよかったことは?
都会に比べて家賃などがかからない分、自分が本当に納得できるものをお値打ち価格で提供できるところですね。
Q.関のよいところは?
自然が多く、子育てしやすいところです。個人で働いている人が多いせいか、それぞれの家庭の事情に応じて保育園の対応もきめ細かいように思います。
Q.休みの日には何をしていますか?
家族で公園に遊びに行ったり、夫婦で県内のとんかつ屋さんにお昼を食べに行ったりすることが多いです。
太田峻介さん
静岡県浜松市出身。京都の日本料理店で5年修行を積んだ後、地元浜松でとんかつ専門店に勤務。東海エリアの新店舗の立ち上げに携わることになり、奥さんの地元である関市に移住。飲食店仲間の後押しもあり、2017年10月、関市で「とんかつの太田家」をオープンした。
とんかつの太田家
住所:岐阜県関市観音前48
営業時間:11:30〜14:00(L.O.)、17:30〜21:00(L.O.)
定休日:水曜日、第4木曜日
URL:https://tonkatsunootaya.jimdo.com/