関市のヒト

「気持ちは風船と一緒、時間が経てばしぼんでしまう。だから、やりたいと思った時にすぐ始める」と語る、元保育士レザー職人の話

冨岡 祐介さん

レザーアイテム製造販売× イベント企画

第6期せきららゼミでは「関ではたらく」をテーマに、大学生が8名のゲストにインタビューを行いました。
普段は、決して聞くことができないような「せきらら」な話をたっぷり聞いた大学生たち。果たして、どんな話が聞けたのでしょうか?

本記事は、岐阜薬科大学5年松田駿介さん、岐阜大学1年岩田美羽さんが書きました。

せきららゼミの詳細およびほかの参加者が書いた記事はこちら (別ウィンドウで開く)

店舗に並ぶ革商品の数々

冨岡さんの仕事について。事業内容、働き方、一日のスケジュールなど

冨岡さんは、レザーアイテムの製造販売を主に行っており、財布やナイフケース、小銭入れなどの小物を取り扱っています。店舗は、関市の大通りに面しているキャンピングトレーラー内にあります。

高校生のころから革製品の虜になっていたという冨岡さん。2008年からほぼ独学で革製品を作りはじめ、2017年に革職人として独立されました。2021年には、財布がベストヒット大賞を受賞。様々なメディアに取り上げられました。

また、レザーアイテムの製造販売だけでなく、イベントの企画運営も行っており、元日本代表のサッカー選手を招いた地域の子供対象のサッカー教室なども開催され、幅広い事業を展開されています。

一日のスケジュールは特に決まったものはなく、現在はバスケットボールを頑張る息子さん達の予定に合わせ、フレックスに働かれているようです。

NATURAL・LEAF103 店舗

冨岡さんにとって「働く」とは

働くということは、「生活をすることが最低限として考えており、仕事をどう楽しむのかが重要」とおっしゃっていました。

「好きなことに出会って仕事にできている人もいれば、会社に勤めている人もいる。どんな仕事をするにしても、自分がやっている仕事についてどれだけ知っているかが重要」と話されました。

クリエイティブ中の冨岡さん

冨岡さんの学生時代

~小学生時代~
小学生時代は、転校が多く友達ができても、すぐに離れ離れになってしまうということもありましたが、友達と遊ぶことが楽しく、帰宅してもすぐに外に遊びに行くことが多かったそうです。
小学1年生の時に、新品のランドセルを当時飼っていた犬にボロボロにされ大変だった(笑)というエピソードも聞かせていただけました。ボロボロのランドセルは、おじいちゃんやおばあちゃんが何度も縫い直し、小学校5年生まで使えたそうです。

~中学生・高校生時代~
中学、高校生時代はバスケットボールを熱心にされており、高校生の頃は県ベスト16に入るほどだったそうです。
「高校は、部活をがんばったということもあるが、それ以上に楽しんだ」とお話しされました。

~短期大学生時代(18歳から20歳ごろ)~
冨岡さんは、中部学院短期大学に進学し、保育士になるための勉強をされていました。そこでは、ピアノの単位が必須であり、これまで弾いたことがなかったため特に苦労したそうです。

大学では、出身地の違う学生とも仲良くなることができ、それぞれの地元へ遊びに行くことが楽しかったとおっしゃっていました。

保育士時代の冨岡先生

冨岡さんの人生の転機

高校二年生の進路希望調査の際、担任の先生に言われた「君に保育士になれるわけがない」という一言で、なにがなんでもなってやる!と火が付き、保育士になるために努力されたとお聞きしました。

その経験をバネに「やってみたい、やりたい」という気持ちを大切に、情熱を持ちいろいろなことにチャレンジされているそうです

ベストヒット大賞を受賞した財布

冨岡さんが、普段生きる上で大事にしたいこと・願っていること

“絶対、仲間。それしかない”と即答されました。

「1人でやるよりも、仲間で物事に取り組んだほうが、絶対にうまくいく。何かするにあたって、仲間がいるからこそ幸せになれる」とおっしゃっていました。

また、自分の最も大切にしている人たちに対して願っていることとして、健康であることを挙げられました。そして子どもたちの将来の幸せを何より願っていらっしゃいます。
冨岡さんは、子どもの習い事の送迎等、子どもを最優先に考えて仕事のスケジュールを組んでいるそうです。

富岡地区で開催した「せきハロ」のひとコマ

「関市で働く」ということに関して、冨岡さんがパッと想い浮かぶこと

他のまちで働いている同業者の方がよく冨岡さんに話す内容として「場所が良いよね」と言われるそうです。

関市は「ものづくりのまち」で、そのことも多くの人に知ってもらっている。その環境の中、レザーを作れることは職人として光栄だと話されました。

冨岡さんのレザー商品

冨岡さんの趣味、休日の過ごし方

休日自体はあまりないそうですが、空き時間を利用してサップをしているそうです。
「何かしないと時間が勿体ない!」と思うタイプで、常に動き回っているとのこと(笑)。

サップを楽しむ冨岡さん

冨岡さんの今後の展望、考えていること

冨岡さんは、趣味であるサップの体験を提供するアクティビティの会社を作りたいと考えています。

川での事故が多いため、安全に正しく、そしてなにより楽しく水遊びを体験してもらえる会社にしたいと語ってくれました。他にも、自社のレザーアイテムをもっと広めたい、バスケコートを作りたいなど、今後やりたいことが尽きないのだとか。

新しいことをはじめる上での不安はあるのかと尋ねたところ、「不安は、まったくない」とのことです!

「最初から失敗したらどうしよう、、上手くいかなかったら、、、と思うのではなく、まずはやってみないことには分からない。とりあえずやりたいと思ったことをやってみる!」と笑顔で話してくれました。

苦しいことも後につながっていくので、何事も恐れずにやってみることが大事だということを学びました。

冨岡 祐介さんに質問!

    Q:子供の頃の夢は何ですか?
    A:兄の影響で、漫然と競輪選手になることを考えていました。中学生の頃は美容師、高校生の時に保育士になることを志していました。

    Q:関市の魅力は何ですか?
    A:“中途半端なところ”です。関市はめちゃくちゃ田舎というわけでもなく、都会というわけでもない。山も近くにあるし、車を1時間15分ぐらい走らせれば海にも行ける。言わば山のふもとのような感じです。人も多すぎないのでとても居心地が良いですね。また、関市独自のイベント「関の工場参観日」が開催されるなど、関市はものづくりのまちというところが魅力です。

    Q:関市のおすすめのスポットや名物、体験してほしいことは?
    A:もうすぐ移転するとのことですが、本町にある“ブーブーキング”に行ってみてほしいです。まぜそばが絶品。追い飯も食べてみて!あとは、夕方の関観光ホテルあたりの景色がとても素敵です。関市は景観がいいところも魅力的ですね。

冨岡 祐介さん

NATURAL・LEAF103 代表
高校生の時にレザーアイテムの虜になり、保育士を経てレザーアイテムの製造販売を行なっている。
2021年に財布がベストヒット大賞受賞。様々なメディアに取り上げられる。現在は、レザーのインテリア等にチャレンジ中。
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