関市のヒト

関市で生まれ育ったアイデンティティを誇りに~仕事も地域もこのまちも~

川嶋 康夫さん

刃物× 海外× 地域

第6期せきららゼミでは「関ではたらく」をテーマに、大学生が8名のゲストにインタビューを行いました。
普段は、決して聞くことができないような「せきらら」な話をたっぷり聞いた大学生たち。果たして、どんな話が聞けたのでしょうか?

本記事は、中京大学3年の藤田愛唯さんと、岐阜大学院自然科学技術研究科1年波多野友哉さんが書きました。

せきららゼミの詳細およびほかの参加者が書いた記事はこちら (別ウィンドウで開く)

株式会社サンクラフト本社(関市池尻)

川嶋さんの仕事について。事業内容、働き方、一日のスケジュールなど

川嶋さんは、包丁をはじめとする刃物や料理道具を企画・製造・販売する株式会社サンクラフトで働いています。川嶋さんは、海外営業を担当しており、関市に留まらず、世界をフィールドに幅広く活躍されています。

株式会社サンクラフトは、川嶋さんのお祖父様が昭和23年に創業された会社です。現在は、川嶋さんのお父様が代表取締役を務め、川嶋さんは常務取締役を務めています。

「計算すると、1年のうち約1か月は海外に出向いている。輸出先は30カ国を超える」と話された川嶋さん。お話を聞いている中でも、情熱を持って仕事に取り組まれていることが伝わってきました。

自社商品のパン切り包丁

川嶋さんにとって「働く」とは

「どんな仕事でもまずやってみる」ということを話されていました。株式会社サンクラフトは、川嶋さんのお父様が経営されている会社ですが、最初は会社を継ぐことに関して、前向きではなかったそうです。

しかし、大学生のころに、お父様の海外出張に付き添ったところ「中小企業でも海外に出向いて働ける」ということを知り、会社を継ぐことに興味を持ちました。

この経験から、どんな会社でも一度入って見ないと分からないことがたくさんある。どんな仕事でも「一生懸命やってみる」ということを大切にされているそうです。

株式会社サンクラフトのショールーム

川嶋さんの学生時代

~小学生時代~
小学生時代の川嶋さんは、とても真面目な生徒であったことが伺えました。なんと、生徒会長も経験されたことがあるのだとか!スポーツが大好きで、放課後には、友人たちとドッチボールをして遊ぶ活発な小学生でした。
全学年で行われるマラソン大会では、3年生から5年生において「学年1位」の好成績を残されました。しかし、6年生の最後の大会で、一人の生徒に負けてしまい、とても悔しい思いをされたそうです。当時は、友人に励ましてもらい、とてもうれしかったと話されました。

~中学生・高校生時代~
中学時代では、アニメ「スラムダンク」の影響でバスケットボールをはじめ、3年生最後の中体連では、強豪校に勝つことができ「努力は報われる」という成功体験を積んだと話されました。
高校生では、勉学に励むために関高校に入学されましたが、ご自身でも当時のことを振り返って「天狗になっていた」と語っており、勉強に対して消極的で、大学受験で挫折を経験されたそうです。
この挫折から、1年間浪人をして、朝から晩まで名古屋の予備校まで通われました。楽しいことを一切断ち切って、1年間勉強に集中することができたのも、中学時代の成功体験から「努力は報われる」と信じていたからだと話されました。

~大学生時代~
1年間の猛勉強の末、見事、慶應義塾大学に入学することができた川嶋さん。大学生時代は「飽きるまで遊ぼう」と考えていたそうですが、遊びに飽きが来ることはなかったそうです(笑)。
アルバイトで貯めたお金で、友人たちとヨーロッパ等へ1ヶ月間の海外旅行へ行くなど、たくさんの思い出があるそうです。
「大学で出会う友人は、一生付き合っていく大切な財産だから大切にしたほうがいいよ」と川嶋さんは語り、経営組織論などを学んだゼミ活動で出会った仲間は、同じ志を持つ大切な友人であると話されました。
川嶋さんは、23歳で大学を卒業してすぐ、1年間海外留学を経験されたそうです。そこでは「言葉の壁」を感じたそうで、貴重な1年間を無駄にしないためにも日本人のコミュニティにはあえて属さず、苦しい思いをしたと話されました。しかし、1年間やり切ったという成功体験が自信に繋がったそうです。

大学時代のゼミ生たちと

川嶋さんが、普段生きる上で大事にしたいこと・願っていること

川嶋さん自身の内において、最も大切にしているものは「アイデンティティ」であると語っていました。異国の地に営業へ向かう際に感じられる「自分が何者であるか?」という問いに、常に回答を探索することで自分を確固として持つことの重要さを説いていました。
ご自身がされた成功体験も失敗体験も、将来的に自分の重要な糧となることを自身の身を以て感じている川嶋さん。大きな成功、大きな失敗を経験することの重要性を知っているからこそ、体験してほしいと語っていました。

株式会社サンクラフトでは「子どもに料理を体験してほしい」との想いから料理イベントも開催しています

「関市で働く」ということに関して、川嶋さんがパッと想い浮かぶこと

川嶋さんは関市で働くことについて、まだ課題が残っているとおっしゃっていました。

川嶋さんは若年層がやりたい仕事やチャレンジしたいことが無いということは、企業の責任であると考えています。企業全体で保守的にならずに、新しいことへ繋がる前のめりな姿勢が大切であると語っていました。

この課題の克服には若い力が必要であり、同時に仕事における情報がより多数の学生や求職者に届くように広報や情報発信の面でも改善が必要であると感じています。

海外営業をする川嶋さん

川嶋さんの趣味、休日の過ごし方

趣味のバスケットボールなど、多岐にわたってリフレッシュをされているようです。

仕事に真剣に従事する中、どうしても避けることのできない不安やストレスは、過去や未来から一度距離を置いた「今」没頭できるものに触れることで対処し、ワークライフバランスを保っています。

現在でもバスケットボールをプレイしているそうです!

川嶋さんの今後の展望、考えていること

川嶋さんは一企業の経営者として、社員の幸せを深く考えており「サンクラフトで働いてよかった」と思ってくれる会社作りを志しています。

川嶋さんの挑戦は続きます!

川嶋 康夫さんに質問!

    Q:子供の頃の夢は何ですか?
    A:「世界を股にかける仕事をしたい」と思っていました。

    Q:関市の魅力は何ですか?
    A:「ほどよく田舎」に尽きます。子供たちがのびのびと暮らすことができ、少し足を延ばせばアウトドアや市街地へと簡単にアクセスすることができるので、生活を営む上でとても魅力的です。

    Q:関市のおすすめのスポットや名物、体験してほしいことは?
    A:関市の独自イベント「関の工場参観日」はぜひ体験してみてほしいです。企業のホームページなどからは感じることのできない「社員の方々の働き方」や「人物像」を五感を使って感じることができますよ。

川嶋 康夫さん

株式会社サンクラフト 常務取締役
包丁や調理道具を製造・販売する(株)サンクラフトにて、海外営業を担当して10年。国内・海外へ出張する傍ら、関市というホームの大切さを感じている。海外留学、駐在経験あり。
株式会社サンクラフトホームページ (別ウィンドウで開く)